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2025/07/18 04:35 |
戦う司書と読書人の感想
お、どうやら江神さんシリーズの最新作が出る模様ですな!
うん、それで、いつごろ文庫化ですか?

ぶっちゃけ、有栖川ミステリでいちばん好きなのはデビュー作「月光ゲーム」だったりします。深沢ルミは少年心にけっこう衝撃的なキャラだったな……

それから、巻末の「参考資料に代えて 深沢ルミ愛読書」というのも良い小技でした。これ、いつかどこかで真似したいところです。

「戦う司書と虚言者の宴」
(山形石雄)、昨日読了。

蒼淵呪病の大乱から1年後、武装司書たちは年に一度の無礼講パーティを楽しんでいた。そこへ、かつて武装司書と神溺教団の双方から追われていた『魔女』オリビア・リットレットが現れて……

新展開への序章とでも云うべき『戦う司書』シリーズ第7弾。武装司書VS神溺教団という構図が完全に崩壊し、新たなる嵐の予感がひしひしと……

さて、ネタバレとは積もるものです。つまり、「前回のあれを伏せたからにはこれも書けないよな」という風に増殖していくのです。だから、正直何を書いて良いやら、なのですが……

とりあえず、あらすじの続きから少し語ると、だな……

あのオリビアが武装司書全員集合のパーティ会場に現れたからには当然ひと波乱あるのかと思ったら、何かやたら歓迎されていて、あれ?というところから今回の話は動き出します。

つまり、前回の戦いの終了後からパーティ当日までのあいだになにかあったんだな、と推測できるわけで。そして、いよいよ現在のパーティとこの一年の出来事が交互に語られていくわけですが……

この作者は、正調・変調問わず『カットバック』(過去と現在を交互に語る手法)の使い方が上手いですな。それはつまり、時を操る術を心得ているということです。

そもそも、死者の記憶が『本』として結晶化するという基本設定がすでにカットバックのためにあるようなものですからね。今生きてる人間と、その人間が読む『本』の内容、両方を一度に描くと自然にカットバックの出来上がりです。だから、下手じゃ話にならんのですがね。

キャラについて云うとですね、オリビアはシリーズ中でいちばん好きな人かもしれません。外見は穏やかでお上品なレナスでありながら、人格は蓮っ葉で気合の入ったオリビアというギャップがなかなか、ね。たったひとりで第三勢力、というのも燃えポジションですし。

そして、とてつもない悪名を残す羽目になったヴォルケン・マクマーニに合掌。真面目で正義感が強くて融通の利かない性格のせいでこんなことになるとは……

あとは、ミンス・チェザインの良い人っぷりに涙。それから、ミレポック・ファインデルはもうちょっと面白い酔い方してくれたら良かったなと。

そんなところです、何か思いついたら、また。
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2007/08/28 00:36 | Comments(0) | TrackBack() | 日記・感想

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