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2025/04/21 13:36 |
レナルズすげーレナルズ
競馬を番号だけで語る大人にはなりたくない。

さて、今月の読了本9冊目。
分厚いわりには意外と早く読み終わって、残すは1冊、あと4日。

「火星の長城 レヴェレーション・スペース①」(アレステア・レナルズ)、昨日読了。

「啓示空間」や「カズムシティ」「量子真空」(未読)につながるレナルズ宇宙史『レヴェレーション・スペース』の短編集。時系列順に読めるのは日本版だけ!(たぶん)

「火星の長城」は、後に三大勢力となる『連接脳派』が太陽系を脱出する経緯を描いた話。

表題の「長城」とは、いわば空気のダムです。惑星を丸ごとひとつテラフォーミング(地球化)するには膨大な手間と時間がかかるから、まず一定区域を城壁で区切ってその中だけ居住可能な大気を満たし、それから徐々に城壁を広げていけば良いじゃん……

という作戦思想のもとに作られた壁、それが長城です。
うん、その発想は無かったわ。

ちなみに「連接脳派」とは、脳内に大量のインプラントを埋植して精神を拡張し最終的には『超啓蒙意識』と呼ばれる意識共有体を形成するに至った人々のこと。

そんな人間離れした人間とむかしながらの人類がそりが合うはずも無く、戦争が起こります。皮肉にもそれが人類を太陽系外に進出させるきっかけとなるのですが……

「氷河」は、前作で太陽系を脱出した連接脳派が途中立ち寄った惑星ダイアデムでの話。

その星にあるものといえば、広大な氷原と氷の中に住む「虫(ワーム)」というミミズのような生物だけ。かつて入植したアメリカ人科学者たちは、建物と二つの不審な死体を残して消えていた……

という、少々ミステリタッチな展開の末に待ち受ける『ある事実』、そのアイデアがとてつもなく素晴らしい。こういう冴えたアイデアに出会うためにSFを読んでいるといっても過言ではありません。

ひとつ飛ばして「ウェザー」は、ウルトラ属の男性と連接脳派の女性の恋物語。

精神を拡張した連接脳派に対し、身体を徹底的に機械化して宇宙空間に適応したのが『ウルトラ属』です。いわばサイボーグで、人間離れ度はどちらも良い勝負だと思います。

そんな、両極に進化した二派の男女の恋は、さながら「ロミオとジュリエット」の遠未来版といったところ。人種信条門戸どころか、もはや生物学的な差異が二人のあいだに横たわるわけで……

……おっと、ついつい気合を入れて書いていたら長くなってしまいました。これは続きますね、今回は確実に(続く)。
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2008/10/28 00:27 | Comments(0) | TrackBack() | 日記・感想

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