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2025/01/17 16:26 |
料理は食べてみよ、本は読んでみよ
1. 「阿呆の世界に光が満ちる」

今週の『聖姐さんはそんなこと云わない』のコーナーでした。


2.今月の読了本2冊目、今年のトータル2冊目。
ごたごたしてる間に読了本が3冊溜まっているので、順番に参ります。

「ウサギ料理は殺しの味」(ピエール・シニアック)、7日に読了。

<自動車の故障により、とある田舎町で立ち往生した探偵シャンフィエ。その町では、木曜日に女性が殺され死体のそばに扇が残されるという事件が2週続けて発生していた。期せずして町に長期滞在することとなったシャンフィエは、密かに事件の調査を始める。やがて、あるレストランに「木曜日のメニューにウサギ料理を載せるな」という謎の手紙が届き……>

先月の「ジャンピング・ジェニイ」が本格ミステリの中の異色なら、これは全ミステリの中の異色です。まさに、異臭漂う『ミステリ界のジビエ』といったところ。

ストーリーは、殺人そのものより、田舎町の住人たちの日常がメインです。フランス・ミステリ特有の退屈さがここにある、と思いつつ読んでたら、それらすべてが手がかりであり、伏線であり、真相そのものでもあった、という罠に嵌っていました。

風変わりではありますが、そのへんは別に異色というわけではありません。

ではどのへんが異色なのか詳しく説明すると、ネタバレ・ゾーンに頭から突っ込んでしまいます。ならば簡単に説明してみようとがんばったら、こうなった↓

≪つまり、これは「謎が解かれても事件が解決しないミステリ」、それどころか「真相が解明されても事態がまったく好転しないミステリ」むしろ「さらに悪化してしまうミステリ」なのです≫

混沌に秩序をもたらすのがミステリの意義のはずなのに、そのまったく逆を行くミステリ。それを「異色』と云わずして何と云うのか?
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2010/01/15 00:19 | Comments(0) | TrackBack() | 日記・感想

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